今日は、
大学生に向けてのお話。
就活を控えた
3~4年生をメインとしていますが、
年齢関わらず、
皆さんに向けたお話でもあります。
「これじゃ、ES、通りませんよね?」
学生さんから就活相談を受けること、
多々あります。
講座の学生の中には3年生もいて、
普段の講義の内容だけでなく、
進路や就活の相談は日々あります。
「なんで? うまく書けなくて悩んでる?」
「なかなか言葉が出てこなくて……」
こういう時は、
“ESに何を書くか”の前に、
雑談から始めることにしています。
「××さんって、どんな人?」
「“どんな人”、ですか……。
そうですね……。
内気だし、
自分に自信がないし、
人に話しかけるの苦手だし……」
「っていうか
ネガティブワードが
どんどん出てくるね……」
「先生、ひどいですね。
どうせネガティブですよ!」
「いやいや開き直らない。
でも、ホントにそう思ってる?
自己認知、それで正しい?」
「はい、先生も知ってますよね?
私、内気だし、
グループトークでも、
なかなか入っていけないし……」
「あ、自覚はあるわけだ」
「だから、先生も知ってるじゃないですか」
「うん、まぁね……。
でも、良いことよ。
自分を客観視できてるんだから」
「褒めてます?」
「うん」
「でも、だったら余計にES通らないじゃないですかー」
「いや、そんなことないよ」
「え、内気で自分に自信がなくて、
人に話しかけるの苦手って書いて通るんですか?」
「いや、それを全部書くのはちょっと……」
「ほら、やっぱり駄目なんじゃないですかー」
「わかったわかった。
じゃ、ちょっとだけヒントね。
言い方を変えてみる」
「言い方?」
「『内気』って、『思慮深い』って
言い換えることできるよ」
「『思慮深い』、ですか?」
「うん。
『内気』って言われると、
ちょっとマイナスなイメージあるけど、
『思慮深い』って言われると、
そんなにマイナスなイメージないでしょ?」
「まぁ、確かに」
「××さんは、
内向的な自分を客観的に自覚している。
それを『内気』と表現している。
つまり、
自分が自分自身の性格を
マイナスに捉えているってこと」
「でも、明るくて、
活発で、初めての人でも
すぐに打ち解けられるような人のほうが
良いじゃないですか。
そういう人の方が受かりますよ」
「そうかな?」
「ゼッタイそうですよ」
「んなことない」
「そうです!」
「××さん、ガンコだねー。キライじゃないけど」
「スイマセンね、ガンコで」
「いや、話それちゃったから、元に戻そう」
「世の中には、いろんな人がいる」
「そりゃそうですよ」
「会社もそう」
「そうかもしれません」
「外向的な人もいるし、内向的な人もいる。
感情的な人もいるし、理性的な人も」
「真逆の性格ってことですか?」
「そう」
「いろんな人がいていいし、
いろんな人がいるから組織が成り立つ。
だから内向的でも構わない。
組織には、必要な役割もある」
「でも、“内気で自分に自信がなくて、
人に話しかけるのが苦手”って書いたら
通らないですよね?」
「ま、そこまでネガティブな言葉を振られたら、
通したくなくなるわな」
「ほら、やっぱり」
「っていうか、僕の話、聞いてないよね」
「はなし?」
「『内気』って書かなくてもいいでしょ?
『思慮深い』って書いたらいい」
「『思慮深い』って書いたら通りますか?」
「そういう話でもないんだけど、な。
つまり、“自分の性格や資質を、
自分はこういう風に理解してますよ”というのを、
どういう言葉で表現するか、ってこと」
「表現、ですか……」
「『内気』って書くってことは、
内向的な自分をネガティブに捉えているんだなって
感じるし、
『思慮深い』って書くってことは、
そんな自分をポジティブに捉えているって感じる」
「なんか強引だなぁ」
「まぁ、僕も確かにこれまで
いろんな就活生と面接してきたけど、
嘘つく人もいれば、
話を盛る人もたくさんいたからね」
「ほら、いるじゃないですか」
「じゃなくて、
“自分の性格、資質を
どう受け止めるか”って話だよ」
「受け止める?」
「ネガティブに受け止めているか、
ポジティブに受け止めているか、ってこと」
「私はネガティブに受け止めてるって
ことですよね?」
「××さんだけじゃない、
他にもたくさんいるよ。
××さんと真逆の『外向的』な性格・資質の人が、
自分のことを“落ち着きがない”
“おっちょこちょい”って思ってる人もたくさんいる」
「そうなんですか?」
「そう。社会でも会社でもそうだけど、
内向的とか外向的とかっていうのは
それほど大事じゃなくて、
せっかくなら良好な人間関係を築きたいっ
て思うのが普通でしょ?
なのに、
自分のことをネガティブに受け止めてる人って、
なかなか良好な関係を築くのは難しいと思うんだよね。
どうせなら、
自分のことも、
他人のことも前向きに、
ポジティブに捉える人と関わるのが良くない?」
「まぁ、確かに……」
「だから、
まずは自分のこと、
性格でもキャラクターでもなんでも、
前向きに、
ポジティブに受け止めるようにすることが大事」
「はぁ……」
「自分のことを前向きに、
ポジティブに受け止めるように
意識づけしていけば、
いつの間にか自分に自信が生まれることも多いよ」
「そうなんですか!」
「全員が全員とは言わないけど、
そういう人をたくさん見てきたけどね」
「わかりました!」
「と、いうことで、
そんな感じで書き直してみてくれる?」
「え、どう書いたらいいんですか?」
「それは、自分で考える」
「やっぱりー。いつもそうなんですから」
「それが、一番大事」
今日のお話、長くなってしまいましたね。
ネガティブよりポジティブ。
前向きに考えるクセづけ、大事です。
いろいろな考え方があるとは思いますが、
“そうかもな”と思ってくれた方は、
ぜひチャレンジしてみてください。