AI時代に人が持つべき本当のスキル

今日は、
みなさんへのお話。

特に、
これから
社会に出る人たちに向けた
お話です。

「答えを問うな、問いを問え」

一見すると、
何を言ってるか
ちょっとわかりませんね。

でも、
僕の中では
かなり深い言葉。

15年ぐらい前のこと。
とある大学のセミナーに
参加した時のこと。

就職関連のセミナー。
面接対策のセミナー。

僕らは模擬面接官。
集団面接を想定して
学生に向き合う役割。

自己アピールやガクチカに
フィードバックをする役割。

ほぼ1日かけて模擬面接を実施、
最後はパネルディスカッション。

参加していた10人の人事が、
参加していた120人の学生の
質問に答える、というもの。

壇上に10人の人事が登壇し、
会場の120人の学生からの
質問に答える、というもの。

「どういう人材が内定を取るんですか?」
マイクを手にした学生が質問しました。

「そんなの自分で考えなよ」
壇上の、とある人事担当者が答えました。

はじめは、学生は唖然とした表情。
まもなく、学生は憮然とした表情。
会場内も、ちょっとざわつき始め。

「企業によっても基準は違うよね?」
慌てて僕はマイクを取りました。

「質問の意図が分からないけど、つまり……」
僕は続けました。

「こういう人が内定取れるよ、
そう言われたとして、
その要素を持ってなかったら
どうするの?
今から身に着けるの?
今から身に着けられるの?」

まだ納得してなさそうな学生。

「“どうすれば内定取れるか?”って
答えを求める人は採用されないよ。
“どうすれば内定取れるか?”って
自分で考える人じゃないと」

それでも納得してなさそうな学生。
質問は次に移っていきました。

人事と学生の質疑応答、
パネルディスカッションも
まとめの時間になり。

司会の方が、
「最後に人事の方々から学生にひと言」
と僕たちにメッセージを求めてきました。

壇上にいた、
もう10年以上一緒に
セミナーに参加している
とある人事担当者。

先ほどの学生の質問に
「そんなの自分で考えなよ」
そう答えた
僕も尊敬している人事担当者が
こういいました。

「答えを問うな、問いを問え」

壇上の誰もが、深くうなずいていました。
会場の学生は、戸惑っているようでした。

ちょっと前までは、
「課題解決能力が大事」と
言われていました。

「どうすれば内定取れますか?」
そんな質問には、
「課題解決力が大事だよ」
そんな答えをする人事も
いたかもしれません。

今でも、
実際の面接では、
「課題解決力があります」
と答える学生が少なくありません。

しかし、
課題を解決する力は
AIに任せるような
時代になっています。

課題解決力があることも
大事なことではあるけれど、
AI全盛の世の中では、
課題解決力ではなく、
課題発見力が
大事になると
考えられます。

「AIでも課題を見つけられますよね?」

そういう声もあるかしれません。

でも、AIって、
データがないと
処理できません。
データがないと
課題を見つけられません。

単なる情報だけでは、
処理することができない。

データと情報。

情報に何らかの意味付けしたものが
データです。

そこに意味を見出せないなら、
データとは言えないのです。
情報だけでは、
AIは
処理がむずかしいようです。

情報に意味づけするのは
人間の仕事ですが、
そもそも
情報を認識するのは
人間の方が得意です。

定量的な情報なら
AIでも
処理できるかもしれませんが、

定性的な情報だと
AIでは
処理が難しいでしょう。

課題を解決することより
課題を見つけることの方に
注力する方がいい。

そう思います。

「課題発見力を高めるには?」
そういう声もあるかもしれませんね。

それは、
何気ない
ちょっとした
身の回りのことに
目を向けることです。

何気ない
ちょっとした
身の回りのことを
感じることです。

“これってなんだろう?”
“なぜこうなってるんだろう?”

そういう意識を
持つことが大事です。

“なに?”
“なぜ?”

こういう意識を
持つことが大事ですね。

これを繰り返していくと、
“これってもしかして……”
とか
“これってこうすれば……”
といった考えが
浮かんでくることがあります。

それがきっかけとなり、
もっともっと知りたい
もっともっと調べたい
そういう意識になっていきます。

課題発見力。
そうした意識の先に
身についていくものです。

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