AIに負けない凄い人に負けない

今日は、
みんなに向けてのお話。
最近気になっていることについて、
ちょっと雑談めいたお話です。

「AIに奪われる仕事って何ですか?」

シューカツを始めよう
という時期に差し掛かった学生から、
真剣な目で質問されることがあります。

大学1~2年生からも、
「そんな話を聞いたんですが」と、
何気なく質問されることがあります。

本当に奪われるかもしれない仕事を
している社会人よりも、
危機意識が高いかもしれません。

「AIに奪われる仕事って何ですか?」

「どうだろね~。なんだろね~」

「先生、はぐらかさないでください。
真面目に聞いてるんですから」

「ゴメン……」

「AIに取って代わられちゃう仕事に
就きたくないですもん」

「ま、そりゃそうかもしれないけど……。
そんなに心配?」

「心配ですよ。
だって今だってスキルもそんなにないし」

「前から講義で言ってるけど、
新卒にスキルは求めてないよ」

「先生は前からそう言ってますけど、
それでも……」

「心配?」

「ですね……」

常にいろいろな情報にさらされている
若い人ほど敏感になっているようですし、
不安になる人も少なくないようです。

「そんなに心配することはないと思うよ」

「何を根拠にそんなことが言えるんですか」

「う~ん。
じゃ、あんまり言ってこなかった話、
シューカツの話をしよっか。
仕事って、3つの要素から成り立ってる」

「3つの要素、ですか?」

「そう、職種関係なく、
仕事には3つの要素がある。
それが、
“アタマを使うこと”、
“カラダを使うこと”、
そして“ココロを使うこと”」

「なんですか、それ」

「学生だけじゃなく、
社会人の人でもそういう人多いんだけど、
“仕事は頭脳労働と肉体労働に分けられる”とか、
”仕事には、
ブルーカラー、ホワイトカラーと分類される“
とか言うんだよね。
中には”ブルーカラー、ホワイトカラー、
ゴールデンカラーがあるとか
言っちゃってる人もいるけど」

「ちゃんと説明してくださいよ」

「いや、説明してるから。
今から説明するんだから、
ちょっと聞いててね。

頭脳労働と肉体労働。
これって、“アタマを使う仕事”と
“カラダを使う仕事”に分かれる
ってことを言ってる。

ブルーカラーとホワイトカラーも。
この言い方であれば、
ウチの大学で学んでいる学生は、
その多くが頭脳労働とか、
ホワイトカラーとか言われる仕事を
する会社に就職するわけですよ」

「そうですね。
営業とか、経理とかってことですよね」

「うん、そう。
でも、営業だって経理だって、
アタマだけ使うわけないよ。
お客様へのところに伺うにしても、
体力必要だし。
月末や決算期の忙しい時期を
乗り越えるには、体力が必要だし」

「AIと体力って関係あります?」

「だから最後まで聞きなさいっつーの。
頭脳労働とか
ホワイトカラーとか
言ってる人たちは、
アタマを(メインで)使う仕事だと
思ってるから、

“AIに仕事を奪われる”とか
言うわけですよ。

そりゃ、市場分析とか、仮説構築とか、
データをぶち込んじゃえば、
AIがちゃちゃっとやってくれる。
正しい答えとか、
明確な提案とか、
ちゃちゃっと出てくる。
でも、その答えや提案を受け取る相手が、
何を感じるか、
どう思うかってことも大事じゃない?」

「感じる、思う、ですか……」

「例えば、
体調が悪くなって
病院に行ったとする。
精密検査を受けて、
お医者さんから診断結果を見せられて、
“この薬を飲んでください”と
処方箋を渡される。
その一連の流れが
無機質な対応だったらどう思う?」

「どう思う、ですか?」

「ある病院では、
“先生、お腹が痛いんです”って言ったら、
“はい、じゃ、検査室へ”と促される。

違う病院では、
“先生、お腹が痛いんです”って言ったら、
“どこが痛いんですか? 
いつから痛いんですか? 
あぁそうですか、
それは辛かったですねぇ”って
言ってくれる」

「そっちがいいです」

「そっちってどっち」

「“辛かったですねぇ”って
言ってくれる方です」

「でしょ? 
心電図とか採血とか、
検査で得られたデータは、
コンピュータやAIが処理してくれる。
つまり病気を治す答えはAIが出してくれる。
でも、病人に向き合うのは
お医者さんでしょ?」

「確かに……」

「ココロを使うことができるお医者さんは、
“辛かったですねぇ”って言えるんだよ。
どんな病気か、
どうすれば治るかを
理路整然と話してくれることも必要だけど、
まずは辛そうな患者さんに
寄り添ってほしいよね」

「ですね」

「アタマを使って、
カラダを使って、
そしてココロを使って
仕事ができれば。
それができれば奪われないと思うけど?」

「アタマを使う仕事をAIに任せて、
私たちはもっとココロを使う方に
注力すればいいってことですか?」

「あら、わかってきたじゃないの」

「いや、まぁ、その……」

シューカツに臨もうとする学生は、
スキルに目が行きがちです。

論理的思考力がないとダメだとか、
資格を持ってないとダメだとか……。

大学1~2年生の中にも、
シューカツに向けて
いろいろなスキルを身に着けようと
時間と労力を惜しまない学生が
増えているような気がします。

ただ、せっかくの学生生活、
ココロを磨くことに
時間と労力をかけてもいいのではないかと
思っています。

ココロを磨くというと難しいですが、
例えば共感力。
相手の気持ちに寄り添うとか、
相手の気持ちを受け止めるとか。
普段、友達との会話でもできると思うんですよね。

いろいろな考え方がありますが、
“それもありかも”と思ってもらえたら嬉しいです。

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