今日は、みんなに向けてのお話。
前回もお話ししましたが、
『世代によって常識は異なる』
を、別の視点で。
高校生活、大学生活は、
同世代の人たちと過ごす時間が
多いですね。
ところが、社会人になると、
同世代の人たちと過ごす時間は、
それほど多くないと思います。
会社に入れば、
30代の人も、40代の人もたくさんいます。
ベンチャー企業であれば
若い人が多いかもしれませんが、
大企業になると、50代も60代もいます。
幅広い世代と関わることになりますね。
「オジサン世代と話が合わないんです」
大学を卒業しても連絡をくれる
学生も少なくないのですが、
時々、こんな話をしてくれる人もいます。
「そりゃそうでしょ。世代が違うんだから」
「いや、それは分かってます。
なんとかついていこう、
理解しようとはするんですが……」
「難しい、と……」
「はい……」
理解しようとする行為そのものは
いいことですね。
時々、“理解できないのは、
相手が悪い”とか
“理解できない=拒絶する”ような人も
いたりしますので。
『世代によって常識は異なる』
そんな話を講座でしていますが、
ともすると“同世代でも常識は異なる”んじゃないか
と思い始めています。
“なんでだろう?”と
思いながらも調べたり、
話を聞いたりしていますが、
なんとなくわかったことが。
今日は、そんなお話。
僕もその世代ですが、
昭和って、
“ウチも欲しいね”
“ウチでも買おうよ”
という動機でモノを買うことが
多かった時代だったような気がします。
テレビにしても、
洗濯機にしても、
お掃除ロボットにしても。
「でっかい液晶テレビ、
ウチでも買おうよ。
大画面で映画を見たら迫力あるしね」
「ドラム式の洗濯機買いましょうよ。
乾燥機能付きの。
ご近所でもみんな持ってるみたいだし」
「お掃除ロボット、ウチも欲しいね。
みんなが帰ってくる頃にはお掃除終わってるんだよ」
家族でそんな会話があり、
“そうだね”となって買いに行く。
モノを買うって、
そんな感じだったように思います。
ところが、今はちょっと違うようです。
ウチの子供たちを見ても、そう思います。
「(ニンテンドー)スイッチ買ってよ。
みんな持ってるんだよ。ボクも欲しいよ」
「スマホ買ってよ。
中学生になって持ってない人いないよ。
ボクも欲しいよ」
「パソコン買ってよ。
タブレットでもいいから。
勉強するのに必要なんだ」
母親か父親にそう訴えて、
“ま、しょうがないなか”となって買いに行く。
モノを買うって、こんな感じなのかなと思います。
あるところで
教えてもらったことでもあるのですが、
“ウチでも買おうよ”という購入様式。
これをホームユース(商品)というようです。
“家(庭)で使うから”という意味のようです。
一方、“ボクも欲しいよ”という購入様式。
これをパーソナルユース(商品)というようです。
“自分(個人)が使うから”という意味のようです。
もちろん、
昭和でもパーソナルユース(商品)を
買うこともあったとは思います。
ただ、
圧倒的にホームユース(商品)が多かったですね。
テレビも、自分の部屋ではなく、
リビングで見ていたように思います。
家族みんなで見ていたように思います。
ドラマも、歌番組も、映画もお笑いも。
コンテンツ(ソフト)もホームユースだったように思います。
高視聴率のドラマって、
昭和、平成が多かったと思います。
みんなで(が)見られる内容が
多かったように思います。
ミリオンヒットも、
昭和、平成が多かったように思います。
みんなで(が)聞いて、みんなで(が)歌える唄が
多かったように思います。
ドリフもひょうきん族も。
(PTAが怒ってたという話もありますが)
みんなで(が)見ていたように思います。
最近は、コンテンツ(ソフト)が
パーソナルユース化しているように思います。
高視聴率のドラマってあったかな?
と考えないと出てきません。
ミリオンヒットってあったかな?
と考えないと出てきません。
パーソナルユース化というか、
細分化しているように思います。
「オジサン世代と話が合わないんです」
こういう話はよく聞きますが、
ある意味、オジサン世代は分かりやすい。
この世代のコンテンツは、
ホームユース仕様ですから。
メインのコンテンツを
いくつか知っていれば、
「お、分かってるねぇ」と褒められる。
スポーツ系の漫画やアニメ、
例えば『巨人の星』とか
『キャプテン翼』とか
『スラムダンク』とか。
この辺を知っていれば、
「お、分かってるねぇ」と言われます。
そう、分かりやすい。
同世代だと難しいかもしれませんね。
細分化、多様化が進んでいるから、
なかなか共感できない。
若い世代に対して、
オジサン世代は時に押しつけてくるので
気を付けないと、ですね。
マスを対象にしたコンテンツで
育ってきていますから「知ってるよね」前提で
話してくる。
話してくるだけならまだしも、
「知らないの?」と圧をかけてくる場合も。
上手に受け流すスキルが必要になるかもしれません。
当時の感覚そのままに、
マスの志向(思考)を押し付ける人には気を付けて。
とはいえ、
否定や拒絶もあまり得策ではないですね。
上手に分かり合える、
分かち合えるようになりたいものです。