今日は、
みんなに向けてのお話。
年齢関係なく、
みんなに知って欲しい内容です。
「先生、おかげさまで内定もらえました」
「ホントー! よかったねぇ!」
「はい、ありがとうございます。
でも、ちょっと悩んでまして……」
「なに? 悩んでるって、どういうこと?」
「内定なんですが、3社からいただきまして……」
「おぉ~! やるね~! おめでとう!」
「だから、悩んでるんです……」
「悩む? 何を?
この時期、内定もらってない人、
まだまだたくさんいるってのに、何を悩んでるの?」
「っていうか、
どの会社の内定を承諾すればいいか、
決められなくて……」
「あ、それか。そうねぇ……」
「先生は、
どういう基準で決めればいいと思います?」
「う~ん……。
正直、どこでもいいと思うけど……」
「そんな無責任なこと、
言わないでくださいよ~」
「だけどさぁ。
こういうのって“えいっ、やー!”だよね。
基準なんてないよ」
「そういうの、イヤです。
納得して決めたいんです」
「だから、そんなのムリだって……」
こういう会話は毎年のようにあります。
内定をもらいました。
しかも複数社から。
どの会社に行くか、決められない。
ずっとずっと決められない。
悩んでも、どう悩んでも決められない。
逆に、1社しか内定が出なかった学生は、
“もうここしかない”と
腹をくくるケースが多いのですが、
こと複数の会社から内定を得ようものなら、
いつまでも決められない人って、
少なくないように思います。
コロナ時期、
選考だけでなく内定式もオンラインで
行わざるを得なかった年なんかは、
(オンラインの)内定式を
ハシゴしてた学生もいたようです。
長年、学生と接してきて感じることは、
“過去、決断した経験が(ほとんど)ない”
ということです。
大学入試も、
いまや多くの学生が推薦で入ってきます。
一般入試でいくつかの大学を併願して、
受かった複数の大学から
どの大学に入学するか悩んだことがある、
そんな学生もほとんど会ったことがない。
その意味では、
就職活動を経て、複数内定から
どの会社に入社するかという“意思決定”は、
学生にとって初めての“決断”となる場合が
少なくないように思います。
みなさんに質問です。
『判断』と『決断』の違いってわかります?
判断=
意思決定した時点で、
どういう結果になるかおおよそ見当がつく意思決定
決断=
意思決定した時点では、
どういう結果になるかまったくわからない意思決定
つまり、
決断とは「これを選んだらこうなる」ということが
誰にもわからないけど、“決める”ことを言います。
先ほど、
複数の会社から内定をもらった学生のお話をしました。
仮にA社、B社、C社と3つの会社から
内定をもらったとしましょうか。
A社に入社することを決めました。
でも、決めた時点では、
本当に自分がハッピーになれるかどうかなんて
わかりませんよね。
B社を選んでも、C社を選んでも。
だから悩むんですよね。だから決断なんです。
就職って、人生の転機ですから。
それは悩んで当然です。
でも、どの会社を選んだら
自分がハッピーになるかなんてわからない。
だから悩む。
「先生、良い会社を選ぶ基準とか、
モノサシってないんですか?」
「ないよ」
「そんな、冷たすぎます」
「そんなことないよ。
だって、これって決断なんだもん」
「ケツダン?」
「そう、決断。
今まで××さんがしてきたのは判断。
今回は決断」
「何が違うんですか?」
「A社に決めようと、
B社に決めようと、
決めた時点では、
その意思決定が正しいかどうかなんて、
誰にもわからない」
「そうです、だから決められないんです」
「いやいや……。
決めなきゃダメでしょ。
だから、勢いでも直観でも」
「そんなぁ~」
「決断、
つまり自分がその会社を選んだことが
正しかったかどうかは、未来が決める」
「未来が決める?」
「そう。
その会社で無我夢中で頑張って、
成果が出たり、
同僚・上司や取引先から必要とされる存在になった。
そうなって初めて、
“この会社を選んでよかったな”と思える」
「それって、
その会社を選んでよかったな、
ってことですか?」
「お、分かってるじゃない。
だから、さっさと決める。
そして入社したら、がむしゃらに頑張る。
そして、結果を出す。
そうすると、“この会社でよかったな”と思える」
「そんなもんでしょうか……」
「そんなもんだよ。
っていうか、それが真実」
「はぁ……」
決断した経験がない人ほど、
僕の説明に納得がいかないことが多いのですが、
これが真実なんですよね。
だから、大学生、
特に1~2年生の方々にお伝えしたいのは、
学生生活のうちに、
ちっちゃいことでいいから“決断”の経験を
増やすことだと思っています。
“決断”の経験が多ければ多いほど、
就活時の不安は軽減されると思います。
もちろん、就活だけでなく。
会社に入ってからも。
社会に出てからも。
このサイトでも何度かお話ししていますが、
『未来予測』よりも『未来予見』が大事だと、
僕は思っています。
未来予測とは、“これからこうなる”。
未来予見とは、“これからこうする”。
“これからこうする”というのは、
決断のようなニュアンスです。
つまり。正解がないこと。
世の中って、解はあっても正解はないんです。
正解のない世界にあって、
よりより解を導き出すためには、
トレーニングが必要です。
普段から、
トレーニングが必要なんだと思います。
「じゃ、
どういうトレーニングをすれば
いいんですか?」
そういう声も聞こえてきそうですが、
基本的には自分で考えるべきでしょう。
ただ、そう言って突き放すのも
なんだか意地悪ですので、
またの機会にお話ししたいと思います。