「海外では……」に疑問を持つ

今日は、
大学生に向けてのお話。

大学の先生や偉い人の言う言葉を
真に受けすぎないように。

高校生でも経験があるかもしれません。

「海外ではこうなっています。
一方、日本では……」

こういう言い方をする人がいます。

言っている本人はそんなつもりはないかもしれませんが、
「海外は進んでいる、日本は遅れている」

そんなニュアンスが
含まれているような感じの言い方。

こういう言い方を聞いて、
“そうなのかな”
と思う人もいるかもしれませんが、

“そうなんだ”
と思って理解してきた人の方が
圧倒的に多いかもしれません。

以前は“学者”とか”先生“と呼ばれる
有識者の方に多かったように思いますが、


最近ではビジネスの世界に
身を置いている人の発言でも
聞かれるようになった気がします。

私たちが知らない
知識や情報を提供してくれる人たちも
たくさんいるので、
一概に否定すべきではありませんが、
ちょっとだけ気を付けた方がいいかも、
というのが今日のお話です。

あなたが生まれるずっと前。
日本は第二次世界大戦という戦争に負けました。
(歴史の授業で習ったかもしれませんね)

日本中が焼け野原になり、
何もないところから
復旧・復興しなければいけない時代でした。

日本が戦った欧米の国々は、
日本よりも経済力があり、
日本よりも発展していました。

「まずは欧米に追い付くぞ」

あなたのおじいさんおばあさんの、
もう少し先の世代ですね。
みんなで頑張って、
みんなが働いて。

欧米各国という先進国、
つまりモデルとなる国に
追い付こうと、
みんなが頑張る、
そんな時代がありました。

そんな時代でしたから、
海外の情勢や情報に詳しい人たちは、

「欧米では……。海外では……」

とたくさんのことを教えてくれました。

その結果、
日本は欧米各国、
先進国に追いつくことができました。

追いついた結果、
どうなったか。

「今度は日本がモデルになる番だね」

多くの国から、
そう期待されるようになりました。

ちょうど日本が
昭和から平成に代わる頃のことです。

先進国の一員になった日本には、
世界に誇るべき製品や商品、
技術や技能がたくさんありました。

もちろん今でも
世界に誇るべき技術や技能がいくつもあります。

ところが、
そうした世界に誇るべきものが
あることを伝えずに、

「欧米では……」

「海外では……」

と、日本以外の情報を
たくさんたくさん教えてくれる人がいます。

確かに、
知識や情報を提供してくれることは
ありがたいとは思いますが、
ともすると

“欧米では……。
だから日本は遅れている”とか

“海外では……。
だから日本はダメなんだ”という

ニュアンスに聞こえてしまうことがあります。

知識や情報を
素直に受け止めようとする人にとっては、
“だから日本は遅れている”や
“だから日本はダメなんだ”
というニュアンスも受け止めてしまう人も
少なくありません。

これはあまり感心するものではありません。

ある分野や一部分については、
遅れていたり
ダメだったりすることも
あるかもしれませんが、
今では世界に誇れるものが
たくさんあります。

それに、
日本をモデルにしようと
知識や情報を吸収しようとしている国も
たくさんあります。

世界とか海外とか日本とか、
ちょっとスケールが
大きな話が続いてしまいました。

このコラムを読んでいる人の中には
若手社会人の方々もいるかと思います。

ビジネスの世界では、
“ロールモデル”という言葉がありますね。

“自分の目指したい
モデルを見つけ、
モデルを見て、
モデルを真似る(目指す)”

そんな意味です。

ロールモデルに追い付いたら、
モデルの様になったら、
次は自分がモデルになる番です。

どうなりたいか、
どうなるべきか。

そのためにはなにをすべきか、
どうすべきか。

自分で考えなければなりません。

“考えなければなりません”
というとハードルが高いですが、
自分がなりたいように、
ありたいように自分なりに試していい、
と考えれば楽しいと思います。

“自分はまだまだ力がないな……”

そういう時はモデルをみつけ、
モデルをみて、
モデルを真似ると良いと思います。

でも、“自分が力がついたかな”
少しでもそう思えたら、
自分がモデルになる時です。

自分にそういう意識がなくとも、
周りはそういう目で見るようになります。
(”あの人みたいになりたいな“と
思ってくれている状況ですね)

モデルをみる時期から、
モデルになる時期に。

そんな日がいつか来ます
(そう遠くない日にそんな日が来るかも)。

周りはどうあれ、
自分の信じる道に進んでいくのが良いと思います。

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